C20政策提言書2019環境部分抜粋(日本語仮訳)

海洋プラスチック汚染を削減すること

G20は、新たなプラスチックの生産を削減し、プラスチックが海洋に流出するのを抑止するために、2018年のG7のイニシアティブと2017年のG20海洋ごみ行動計画にもとづき、行動すること。

・G7シャルルボワサミットの海洋プラスチック憲章に賛同して参加し、内容を実現させることを約束すること。海洋プラスチック汚染との戦いのための新たに国際的に合法的にとりつけた合意を支持すること。

・1回だけしか使わない(注:使い捨ての)プラスチック(袋、皿、ナイフ、フォーク、スプーン、箸、ストロー、風船の棒、綿棒、マイクロビーズ、酸化型生分解性プラスチックを材料とした製品、発泡スチロールの包装やファーストフードの容器など)を2021年までに廃止するのに向けて、段階的に削減するために毎年の目標を設定すること。

・プラスチック製品を急速に減らしていく法律を導入すること。1回だけしか使わないプラスチックの製品の禁止、再充填、再利用可能な容器の開発への投資や、ゴミになりやすい包装を減らすような新たな製品配給システムの革新、及びレジンペレット、人工芝の破片の流出の規制を含む。

・2025年までに、飲料ボトルの分別回収や完全なリサイクルを行うことにより、リサイクルを加速すること。農業用のプラスチック製品の使用を減らし、プラスチックで被覆された肥料を禁止すること。

・マイクロ・プラスチック・ファイバーの発生源対策を実施すること(衣類、洗濯機、乾燥機から簡単にマイクロ・プラスチック・ファイバーを発生させない)。

・生分解性/バイオマスプラスチックに対して予防的アプローチをとること。特に、原料を考慮した持続可能性、つまり食料と競合せず、熱帯林を破壊しない範囲でバイオマスプラスチックを使用し、生分解性プラスチックはクローズドシステム(環境に放出させず、分別回収し、処理する意味)で使用すること。

・リサイクル率に廃棄プラスチックからのエネルギーリカバリーを除外すること。2030年までに廃止するのに向けて、二酸化炭素も発生させるプラスチックの焼却を段階的に削減するために毎年の目標を設定すること。

・海ごみは、人間の食べ物(海産物に限らず塩を含む)に脅威を与える深刻な環境汚染のひとつであるという警告を行うこと。マイクロプラスチック、化学物質、重金属が含まれている。

・海洋の生物多様性にもとづく生態系サービスという自然資源を持続可能に利用(漁業、観光など)するように注意を払うこと。

・大量の漂着、漂流する海ごみの脅威から海での生業や経済活動を保全すること。海ごみは、漁場やスポーツの場を物理的に覆ってしまうという障害物となっている。海や陸の景観にもダメージを与えている。このような状況は、沿岸域の伝統的なコミュニティや沿岸域の文化を崩壊させかねない。

<日本語仮訳:清野聡子、小寺正明> 


(注):英文が正です。C20政策提言書2019(全文)(英文)は下記よりダウンロードできます。
C20政策提言書2019(英文)

C20は「2019 G20サミット市民社会プラットフォーム」で、日本のG20サミットへの政策提言書を2019年4月18日に安倍首相に手交しました。


C20政策提言書2019環境部分抜粋(日本語仮訳)pdfファイルは下記よりダウンロードできます。 

海洋プラスチック汚染を削減すること